真理の太陽

 第1講 「根源の真理」

 この世において根源の真理とは何でしょうか。この私達の地球や銀河系のある宇宙は、はるかなる昔にビッグバンと呼ばれる現象が起きて生成したというのが現在の科学の最も有力な説です。
 このビッグバンとは一種の爆発のように、何もないところに急に火花が散り、色々な物を生みだし、それらが化合し、集結して様々な星の元となり、それらが成長、拡大して星となり、これらの星がまとまって星雲となり、この現象が膨張していって巨大な宇宙空間ができあがったと推定されています。

 しかし、これは現象だけしか考えていません。このビッグバンという現象の原因となったものが何か必ずあるはずです。そうでなければ、何もないところに急に火花が散って、整然とした宇宙ができてくるわけはありません。原因あって結果あり。これはこの世を貫く法則です。ならば、結果として広大な大宇宙ができ、星雲ができ、その中に恒星や惑星ができて、地球の中に植物や動物をはじめとする生命が生まれたということは、こうした世界を創るためにエネルギーが集結されたということではないでしょうか。
 このエネルギーが根源となってビッグバンが起こり、宇宙ができ、星雲ができ、恒星や惑星ができてきたのです。そして、永い年月の星の営みの結果、生命が宿れる環境ができあがり、現在のような地球の姿ができたのです。

 今回の講話は、この根源の真理についてであります。ここで、私はこのビッグバンを生んだ根源をエネルギーの集中と考えているわけです。しかし、現在の科学者達は一般にはいわゆる偶然の産物と考えているようです。偶然、何もないところにビッグバンが起きて、宇宙が、星雲が、恒星が、惑星が、生命ができたと思っているようです。そして、また偶然に幼稚な生命が進化していって高等な生物ができ、人間は猿から進化した動物だと思っているのです。

 しかし、こんな真理があるでしょうか。この世界のあらゆる物は偶然の産物であるという理論は、その真実を何も知らない人がこじつけの理屈を言っているに過ぎません。なぜなら、この世を貫く原因、結果の法則を無視しているからです。真実の意味で偶然などと言うものはないのです。どんな事象にも必ずその原因となったものがあります。偶然と言っているのはそれを認識していないだけです。
 それでは、このビッグバンを起こした根源のエネルギーとは何でしょう。それは宇宙のあらゆるものを創るために集中されたエネルギーであります。この万物創造のエネルギーは誰によって発されたか、それが問題なのです。

 さて、ここでもう一つ物質の成り立ちについても考えてみなければなりません。この世界には様々な物質がありますが、それらは顕微鏡的に眺めるとすべて原子から成り立っていることは現在の科学の常識です。そして、この原子というものは原子番号1の水素から始まり色々な元素があることも明らかになっています。
 たとえば、水素原子を例に取れば中心に1個の陽子と呼ばれるプラスの電荷を持った原子核があり、その周りを1個のマイナスの電荷を持った電子が廻っています。そしてこれは、太陽の周りを地球が規則正しく廻っているように一定の軌道を秩序正しく維持しています。こうした原子の秩序によって物質は成り立っていくのです。この原子が集合して分子となり、粒子となって物質が出来上がっているわけです。

 そうしてみると、この原子が秩序を維持している事によって物質は存在しているわけです。もし、この秩序が壊れたなら、電子が軌道を外れ、原子核と衝突したら当然、原子は破壊されおびただしい原子エネルギーと化してしまうわけです。そうなると分子も粒子も物質もなくなってしまうわけです。すなわち、有から無へと変化するのです。

 この逆も理論的にはあり得ます。創造の意図を持って莫大なエネルギーが集中された時、原子ができ、分子ができ、粒子ができ、物質ができます。無から有が生まれます。何もないところから物質が出現するわけです。すなわち、物質とはエネルギーが集中、固形化したものに他ならないということです。エネルギーが姿を変えた物が物質であるのです。よって、物質もエネルギーも元々は同じものであるわけです。

 そして、物質がこの世界に存在している状態においてもエネルギーによってその存在を維持しているのです。なぜなら原子核はプラスの電荷ですし、電子はマイナスの電荷です。これらは当然のことながら引きつけ合うわけです。この引き合う両者を一定の距離に保つためにはその力を打ち消すだけの逆方向の力が必要となります。すなわち、一定の姿に保持しようとするエネルギーが働いているわけです。このエネルギーの力によってすべての物質はその存在を維持されているのです。

 このように結局、物質というものはすべてエネルギーにより造られ、エネルギーにより維持されているわけです。これはミクロの世界だけのことではありません。マクロの世界、すなわち宇宙についても同様の事が言えます。太陽を原子核、地球を始めとした惑星が電子であり、銀河系のような星雲が分子に当たります。宇宙は一つの物質です。

 そうすると、太陽と惑星についても原子核と電子の如く、お互いに重力によって引き合っていますから通常であれば引きつけあって衝突してしまうのです。ところが、実際は一定の距離を規則正しく廻っているということは秩序を維持するためのエネルギーが存在しているということです。このエネルギーにより宇宙のあらゆる星や星雲は維持されているわけです。

 すなわち、ビッグバンを起こし、宇宙のありとあらゆる物を創ったエネルギーは、自ら創った物をそのエネルギーによって維持しているという事です。このエネルギーによりすべては始めて存在できるわけです。
 では、このエネルギーとは何か、この広大無辺な宇宙を始めとして、人間や動植物など全てを創造し、維持している力とは何か、これを私は神と呼んでいるわけです。すべての創造主であり、造物主であり、一切の所有者であります。

 結局、この世の世界は神によって創られ、神によってその存在を許されているわけです。神とは、決して信仰の対象としての架空の存在ではなく、私達人間を始めとしたこの世界のあらゆるものの親であるわけです。この神があって始めてすべての存在はあり得るのです。
 これが、根源の真理であります。