ライト

予言


 二. 恐怖の予言者、ノストラダムス

 ミッシェル・ド・ノストラダムスは1503年フランスに生まれました。祖父より語学、数学、天文学、占星術を学び、二十二歳の頃には医師の免許と学士号を取得していました。
 当時の国王は、アンリ二世と言い、王妃はカトリーヌと言いました。このカトリーヌ王妃はノストラダムスの様々な超能力の噂を聞いて、王宮の典医として彼を招くことにしました。そして、彼に王宮の未来を占わせることにしたのです。
 しかし、彼が語った未来は実に悲惨なものでした。彼は、王が十年以内に死ぬこと、そしてその子孫もやがて死に絶えていくことを予言したのです。特に、王の死については「若きライオンが老いたる王を打ち倒すであろう。鋭く尖ったものが、その王の目をえぐり、二つの傷がその死因となるであろう。」と予言しました。そして、それからちょうど十年目の年でした。アンリ二世はノストラダムスの死の予言のために、ずっと王宮に閉じこもって暮らしていたのですが、その日でちょうど十年ということもあり、王宮で開かれた槍試合に出場することにしたのです。
 そして、若い警備隊長と槍試合を行ったのですが、その試合の途中、急に警備隊長の槍の先に被せてあった袋が落ちて、本物の槍の先が兜の間から王の目を射抜いたのです。それは脳にまで達するほどの深い傷でありました。この目と脳の二つの傷のために王は数週間苦しんだ末、死んでしまったのです。まさに恐るべきノストラダムスの予言の正確さでありました。
 彼は「センチュリーズ」という予言書を残しています。そして、この予言書の中にはそれ以降、現在のこの二十世紀末にまで渡る500年あまりの間の予言詩が綴られています。そして、それらの予言はその後の歴史を見事に言い当てているのです。
 たとえば、ナポレオンの出現を予言していますし、あるいはパスツールという医者が現れて神のごとく崇められるだろうとも予言していますし、また、あの恐るべきヒットラーの出現も予言していますし、そのヒットラーのファシズムがカギ十字のマークをつけてライン川の畔を席巻することも予言しています。また、様々な飛行機が空を飛び交い、空中戦を繰り広げること。あるいは原子爆弾が日本に落ちることも予言しています。その他にも、イタリアのファシズムの指導者、ムッソリーニの死も予言していますし、核ミサイルやロケットの出現や車の時代が到来し、ドイツのフォルクスワーゲンという会社の車が世界に広がることまで予言しています。
 また、ダラスという地でケネディーという大統領が暗殺されることも予言していますし、二十世紀に両手のない子供が生まれること、いわゆるサリドマイド児の出現も予言しています。公害や地震などについても多くの予言を残しています。
 このように、ノストラダムスの予言は500年近くの間に渡り、実に多くの事柄の予言をなし、見事に的中させているのです。そして、何故か彼の予言には不幸な予言が多いため、恐怖の予言者とも言われています。

   予言のページへ



トップ アイコン
トップ


ライト