リストラ、失業の問題の解消について


  リストラなどによって失業することも現代では大きな社会問題の一つでしょう。労働者の問題ですね。これについては、まず企業も労働者の側も労働に対する意識が間違っているのが原因の一つであると思います。

  元々、労働というのは自分の生活のためにするものではないのです。自分が家族を養ったり、よりよい暮らしをするためのお金を稼ぐために労働をしている人がほとんどなのではないでしょうか。でも、これは間違っています。もちろん、最低限の生活を保障するためにはお金がいりますから働く必要はあります。しかし、労働というものが自分のためにするものかというとそうではありません。

  労働とは本来、その企業なり役所への奉仕なのです。そこへ仕事という手段によって奉仕するかわりに、その報酬を給料という形で貰っているだけです。奉仕ですから、単なる与えられた仕事をこなすだけの仕事では駄目なのです。奉仕ということは相手に尽くすということであり、その企業にとって大いに役立つ必要があるのです。だから、報酬がもらえるわけですね。

  それを現代のように、働いた時間をお金に置き換えて給料を要求しているのは労働とは言えないのです。仕事の押し売りですね。ですから、企業にとっては首にしても痛くもかゆくもないのは当然です。常日頃から本当に奉仕して、その成果が上がっていたら、首にすることなど業績を悪化させることに直結しますからしません。

  しかし、今は企業の業績を回復するためにリストラをします。これはその人達の労働はその企業にとって役に立っていないということ以外の何者でもありません。全ての原因はこのところの認識が間違っていることから発生しているように思います。

  対策としては、本当に労働することしかないと思います。企業のために奉仕し、企業の業績を向上させればリストラなどする必要もありません。会社の経営のことなど関係がないと思っている人はリストラされてもある意味では仕方がないと私は思います。本当に奉仕の仕事をして自分の会社の業績をアップさせることに尽きると思います。その気概を持つことが必要です。

  次に経営者も、労働者は機械やロボットなどではないことを認識しなければなりません。労働者というのは本当は会社としての資産なのです。今、企業の資産報告書を見ますと、有価証券や貯金や不動産などが載っていますが、これはおかしいです。そんなものは仮の姿です。

 来年はどうなっているか分からないようなものです。本当の資産とはそこに働く人々です。ただし、先ほども言いましたが、単なる働き手では駄目です。本当に会社に奉仕してくれる労働者の事です。この人達によって会社は存続し、発展していくわけです。彼らを失うことは即、会社の衰退に繋がります。ですから、一番大切な資産なのです。首などというようなことはあり得ない事です。

  このような本来の労使関係になれば、現代のような失業の社会問題は必然に的に消えるはずです。

          
(1999.11.11    大和武史)

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