家庭不和の問題の解決


  現代社会で私が深く感じるのがこの家庭不和の問題です。家庭不和と言っても、たとえば夫婦の不仲、離婚や夫や息子、娘の家庭内暴力など様々な現象が現れてきています。

  元々、家庭というのは最小の社会です。人間というのは自分一人では生きていけない動物なのです。誰でも必ず何らかの社会生活をすることになっています。その全ての基礎が家庭であるわけです。家庭で安息し、あるいはしつけを受けて社会に適応できるようになり、また社会での疲れを家庭において解消を図るという積極的な役割を持つ集団です。

  この家庭がおかしい家が少なくなくなってきました。家庭内が不和になると、当然仕事や勉強や家事にも力が入りません。そして、それらの不出来がまた家族を不機嫌にし、余計に不和が増大していきます。すべてのものはこの家庭がしっかりとしていることによって支えられていると言っても過言ではありません。

  家庭内を幸せな雰囲気にすることのできないものが、会社や議会やその他の意味ある集団において成功するはずなどありません。まず足元を固めることです。自分の生活をしっかりと安定させ、幸福なものとしたいなら、まず家庭を幸福なものにするべきです。そのために全力を尽くすべきです。元々男と女が存在すること自体が一緒に生活し、共に助け合い、補い合いながら生きていくこと、すなわち家庭を作ることを前提としているのだと思います。自然の摂理なのですね。家庭を作ると言うことは。

  このように考えてくると、現代のように人々の家庭が不和に満ちてきている現実は早急に改めねばならない事だと言わざるを得ません。この現代流行っている家庭不和の原因は何でしょうか。それは、その中の夫婦の絆が脆いものになっているという事に尽きます。家庭の要は夫婦の愛情です。これが希薄になってきているんです。相手を本当に愛することができていない人が多いのです。愛情とは行為とは違います。性交渉をすることを持って愛情とは言いません。

 愛とは相手を思いやる心です。相手の幸せを願って自分が努力をするからこそ、相手は幸せになるし、幸せな相手が自分の配偶者であるから、自分も幸せになるのです。

  それを間違えているのです。ほとんどの人々は相手に自分の幸せを求めているのです。自分を幸せにするように相手に要求しているのですね。ここに大きな間違いがあります。そして、相手が自分を幸せにしてくれないことを許せないのです。考え方の根本が間違っているからです。

  そして、この間違った夫婦によって家庭自体が破壊されるか、あるいはその冷たい雰囲気の中で育った子供の反逆によって家庭は滅びます。その滅びる家庭は抜け殻だからです。

 夫婦の愛情のない家庭など存在の価値はありません。

  まず、夫婦の間の愛情をしっかりと固めることです。それには自分のことよりも相手の幸福を願うことです。そして、その気持ちを実行に移すだけです。本当にその気になれば、時間と共に飛躍的な効果が現れてきます。どうか家庭というものをもう一度見つめ直して、日々よりよい家庭であるように努める事を忘れないでください。


            (1999.11.8   大和武史)

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